2009/05/21

New York City (You're A Woman) / Al Kooper


個人的には最強のシンガー・ソング・ライターAl Kooper。

最初に聴いたのがこれ「New York City (You're A Woman)」。たしか中二の頃。
ほぼ同時に「Naked Songs(赤心の歌)」も聴いて、特にその中の"(Be Real)Be Yourself"にヤラれてアル・クーパー好きが決定的になったが、でもこちらの方に愛着がある。

情けない声で(説得力のないボーカルという言われ方もされる)、若い都市生活者の心情をリリカルに歌う様は西のニール・ヤングか東のアル・クーパーか。
当時はそんな聴き方をしていたけど、その後こちらも成長し彼の音楽になかに存在する60年代ポップの残り香とかソウル/R&Bへの憧憬が分かってくると、もう抗えません。

冒頭のタイトル曲はメロトロンが鳴り響きニューヨークという街に対する複雑な感情を唄い込んだ名曲。
極めつけはA面最後の「Going Quietly Mad」。邦題は「静かに狂っていく僕」。
都市の孤独の中で静かに狂っていく自分。誰か僕を救い出してくれという歌詞ですが、もうたまりませんね。映画「タクシードライバー」のトラヴィスを思い起こすような歌詞だ。
この2曲は70年代都会派SSWを代表する傑作曲だと思うが、そのわりにこのアルバムや曲が声高に語られることはなかったように思う。おそらくひっそりと聴き続かれるタイプの曲なのだろう。

アル・クーパーはディランの「Like A Rolling Stone」のオルガン演奏で名をあげた人で、「本当はギターを弾こうと思ったけどマイク・ブルームフィールドのギターが凄くて、これは敵わないと思い、慌ててオルガンに回った」らしいのだが、ギタリストとしても優秀。
このアルバムでもちょこちょことギターを弾いてるが、ぶっ飛んだギターもあればエロティックなギターもありで捨て難い。
ギタリスト アル・クーパーとしても聴いてあげて欲しい。