ハンニバル・ライジング

ハンニバル・ライジング 上巻 (1)
トマス・ハリスの5作目。レクター博士シリーズでは4作目。
レクター博士の生い立ちを描くもので、映画も4月21日から日本公開開始。

えっと、トマス・ハリスは「羊たちの沈黙」以前は「ブラック・サンデー」と「レッド・ドラゴン」で知られる作家でして、どちらも重厚長大な作風だったのですが「羊たちの沈黙」のメガヒット以降、レクター博士シリーズとして発表された「ハンニバル」、「ハンニバル・ライジング」は作風がかなり変化しちゃいましたね。よく言えばライトに読み易く、悪く言うと・・・やめとこ。

でもこのハンニバル・ライジングは前作よりは出来が良いのではないでしょうかね。ただクライマックスのシーンが劇画調だったり、昔だったら数ページかけて描くようなシーンを数行で済ませたりしているので、もはやあの作風を期待しちゃダメです。

とはいうものの、そもそもレクター博士の出身がリトアニアだったり、戦後のパリと対独協力者狩りの様子が描かれていたり、さらには欧米の読者にとっては日本文化自体がエキセントリックだったりで、読みこなし理解するにはやはりそれなりの知的作業が必要なのものたしか。その点ではトマス・ハリスという人自体は変わってないのかもしれないですね。

初期のトマス・ハリスと比べればちょっと・・ですが、小説単体としては結構良いのでは。
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