Zodiac


デビッド・フィンチャーの新作「Zodiac」を観てきました。
一作毎に傑作/普通を繰り返したフィンチャーなので今度は傑作のはず(笑
と期待してましたが予想を遥かに上回る傑作でした。

フィンチャーというダークでスタイリッシュな映像、ぶっ飛んだストーリー展開がトレードマークですが、Zodiacではその片鱗は見せるもののその辺りを抑え丁寧かつ緊張感のある映像、深みのあるストーリー展開を披露。それでもこれだけの傑作なのだから、うーむこういうのを一皮むけたと表するのでしょうね。

映画「ダーティ・ハリー」のモデルになったとも言われるカリフォルニアの連続殺人ゾディアック事件を扱い、この事件に関わることで人生が変わって行く人々を描き、さらにそこに60年代末から80年代へアメリカが大きく変貌していく姿を重ねて・・うーむ、しかし凄いなぁ。絵も話も普通なんですよ。出てくる俳優も地味な人ばかりで有名な俳優はロバート・ダウニーJrとクロエ・セヴィニーだけ。ケレン味溢れるとか凄い才能を感じるとかそういう映画ではなくて。でも3時間近い映画を最後までテンション下がる事なく引っ張って行くなんですからね。見終わってくたくた。

トリビア的な部分では、劇中「ストーンズのコンサートがある・・」というニュースが出てきますが、これはもちろん例のオルタモント。オルタモントと連続殺人を重ねることで北カリフォルニアの暴力的な部分を暴き出そう・・・という意図ではないな、さすがに(笑
主役の刑事を表して「マックイーンも彼をモデルにしたらしい」という台詞が。シスコが舞台でマックィーンとなればブリットでしょう。さらに劇中みんなで「ダーティ・ハリー」を観に行くシーンがあります。ダーティ・ハリーの連続殺人鬼さそりはゾディアックをモデルにしたと言われているのでこれだけでも可笑しいんですが、当時SF警察はゾディアックは必ずダーティ・ハリーを観にくるだろうと網を張っていたという噂もあります。ホントかいな。

あと音楽もなかなか(笑
なにせ舞台が1969年から1970年代中頃までのサンフランシスコですから。音もサイケだけど、登場人物たちの服装の変化をチェックするのも面白いです。映画が始まった時点ではまだスクエアな感じですが、どんどんみんなカジュアルになっていって、あぁ俺たちのドレスコードはこの頃のカリフォルニアが原点だったのだなぁと妙なところで納得してしまいました。

いずれにせよ、これはデビッド・フィンチャーが才気溢れる新鋭から巨匠になる転換点となるであろう傑作です。早めに観に行こう。

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