魔笛とイングマール・ベルイマン

スウェーデンの伝説的映画作家イングマール・ベルイマンが亡くなったそうです。
ちょうどケネス・ブラナー版の「魔笛」を観てきたばかりで、その感想を書こうと思っていたところだったので、なんという符合。

というのは、モーツァルトの怪作オペラ「魔笛」の映画化といえば、誰もが真っ先に思い浮かぶのはベルイマンによる映画化。それももう30年前になりますが。

オペラとしての魔笛は、シナリオが破綻しているとか、お話がバカっぽい(!?)ということで、近年に至るまではあまり高い評価を得られていなかったらしい。
逆に、モーツァルトがフリーメーソン的世界観を表したものだとか、主人公の一人がゾロアスター教の名前であるツァラストラのもじりであるように異教的ストーリーである点が強調された一種カルトな扱いもされていました。
かくいうボクも、そうしたカルト的側面から魔笛を捉えていたし、それをあのベルイマンが映画化したということで、いったいどんな知的な映画になっているのかと胸躍らせていました・・・実際に観るまでは(笑

実はベルイマン版の魔笛は一大エンターテイメントでして、あまりオペラを知らなくても、クラシックの楽しみ方が判らなくても、映画として楽しんでしまえばよいという、映画以外の何者でもない映画。もしかしたらベルイマンの娯楽作としての代表作として位置づけてもよいかもですね。

対するは、ケネス・ブラナー版の魔笛。舞台だけは第一次世界大戦時の西部戦線。ここにそのまんま魔笛の話とキャラを持ってきました。
うーむ、評価が難しい。というか手強い映画ですね。
メッセージだけは単純明快なんだけど、それを伝える為にはあまりに入り組んだ構造にし過ぎたのでは。もっと素直に原作にあるいはベルイマンのリメイクくらいの軽いスタンスでやれば良かったような気がします。
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