Golf Plus


知人の自動車購入に同行を頼まれたので一緒にファーレンへ行ってきました。

運転者は中年女性、本人はこれまでGolf IIを所有。使用目的は日々の通勤(往復2km)と買い物。週一回は往復50km程度の利用があり、2,3ヶ月に1回は高速を利用した長距離レジャー。ただし同乗者は1名。

という条件で検討していたらファーレンで中古のVWポロを見つけたので、実車を見てアドバイスして欲しいと。

そのポロは3年落ちで走行4万5千キロ、車両価格が110万円弱。乗り出しで130万弱かなぁという感じ。
よく見ると、コーナーポールが立っていたり、オプションの肘掛け兼モノ入れが装着されていたり、純正のナビが付いていたり、ナンバーは群馬だったり。
推測するに、年配のオーナーが大事に乗ったものの群馬ということもあり意外と距離が延びてしまったのではないかと。

ポロで4万5千キロはちょっと微妙だが試乗したところ特にヤレが感じられるわけでもなく、こちらの使用目的等からすれば特に問題ないんじゃない?
という話で決まりそうになったところで、今日入ったばかりというゴルフプラスを車両置き場で発見。
年末キャンペーンセール用車両ということで価格は込み込みの即決価格だが、ポロの乗り出し価格と比較するとあまり大きな違いはなく、こちらの予算内でもあるという。

じゃぁと試乗。

ゴルフプラス、「強烈」なクルマですね。

全高を除けばフォームファクターはゴルフと同じ。なのでボディーとインテリア以外もゴルフと同じ。
エクステリアはちょっとファットなゴルフという感じで特にデザインがどうこうというものはない。
着座位置がゴルフに比べかなり高いので、もしかしたらミニバンとして考える人もいるかもしれないけど、あくまで正統的なハッチバックの正常進化型だと思う。
インテリアはいかにもVWらしい質実剛健なものだが、リアシートがスライドしたりリクライニングしたりするし、スイッチ類も右ハンドルなのに違和感なく配置されている。
おまけにこれでもかというくらいのモノ入れ。30カ所だって? 憶えられないよ(笑

今回のエンジンは2ℓ。ミッションはTip(笑
ゴルフにTipかよ。まぁ今やVWはポルシェの子会社だからいいか。ポルシェ時代のTipはXX万キロで必ず壊れるなんて噂もあったけどVWなら何かあっても安心だから良いだろう。
個人的にはTipは苦手でMTの方が楽なので、試乗の際はATレンジのみ。

タイヤは215/65の15インチ。車重自体が1400Kgオーバーなので15インチで正解。太く薄いタイヤに大口径ホィールをこういうクルマに装着したらボディへのダメージも大きいし結果的にあちこち早く壊れるので、もうVWならではの見識というしかない。長くタフに乗ってくださいというメッセージなんですね。

それと特筆すべきはペダル配置。よく右ハンドルにしたはよいがペダル配置だけはどうにもならず、あさっての方を向く運転姿勢を取らせるクルマ(国産も含め)が多いが、ゴルフプラスは(ATなので)ブレーキペダルはステアリングコラム下、アクセルはホィールアーチ隣と、ベストではないが不満がないよう配置されている。
パーキングブレーキも最近流行の足踏み式ではなく、スティックタイプのものが採用されている。
左足ブレーキ者にとって足踏みパーキングブレーキは鬼門。左足でブレーキペダルを踏みながら右足を左足の下から伸ばして右足でパーキングブレーキを踏むというのは慣れるまではなかなか面倒ですからね。
そもそもATは左足ブレーキがデフォルトだと思うので(MTであっても本気で走るには左足ブレーキは欠かせない)、右足ブレーキ前提の変な場所にブレーキペダルがあると足と腰が疲れてしょうがない。
ちゃんと左足ブレーキ者にも違和感を与えないようちゃんとレイアウトを考えてくれるVWは偉いと思う。

また日本車によくありがちなアクセルに触れた途端にガバっと開いてセンシティブで微妙なアクセル操作ができないタイプは高速巡航では右足がつりそうになるし最悪なんだが、ゴルフプラスではその辺りもドイツ車の常識的な重さで問題ない。

高速の試乗はできなかったが長野なので高速みたいな一般道はいくらでもあり(笑)、高速に近いシチュエーションでの試乗はできた。
ボクたちみたいにMax250度、巡航220度であっちからこっちまでという走りは当然無理だが、普通に180度オーバーでの巡航はできそうな感じ。営業の人は120度でもしっかり走りますよと胸を張っていたが、いやそれは当然で、いくらなんでもゴルフに失礼ですって(笑

問題ない、問題ないの連続だが、ステアがちょっとダルなのだけは人によっては問題かも。まぁ普通の人が普通に運転している限りでは問題と感じないレベルだとは思うが。

とにかく全てがcomfortableに使うために考えられているのが凄い。運転者に対するレンジも広いし、利用方法に対するレンジも広い。ミートポイントが広いので誰が乗ってもそれなりに満足感を得られると思う。
もちろんスポーティーカーではないので、そういう意味での強烈さはないが。

こんなにもオールマイティーなクルマがあんな値段で出ていれば、ボクじゃなくても選びますよということで、ポロはさっさと眼中になくなり写真のブラックのゴルフプラスを購入することになりました。
ちなみに、何も言わずとも5万円引いてくれて、5万円のポリマー加工をおまけで付けてくれました。もうほとんど当初のポロと大差ない値段。やはり人気薄クルマでキャンペーン商品といえども必ず売れる保証がないんですかね。

しかし、90年代までのクルマしか知らないので、21世紀のクルマはこんなに凄いのかと驚天動地でしたが、その後ゆっくり情報収集してみると、どうもこのクルマの方が飛び抜けて特殊みたい。
売れなかったのは事実みたいですが、日本のユーザの成熟度がそこまでいってなかったのかな。
ゴルフにしてはファットだし、GTIみたいなスペック的なアピールもないし、ミニバンみたいに7人も乗れないし、SUVにしては4WDじゃないし、国産HBと比べれば高価だし(笑
欠点はそのまま長所なんですけど。
ゴルフより使い勝手が良く、枯れた技術でよくまとめ、5人までなら十分な広さがあるし、高性能スタッドレスの普及でよほどの積雪寒冷地でもなければ4WDで重量を増やすこともないし、そうした設計/品質からすれば国産より多少高くとも結果的には安い。

プラスという車種はもうないけどクロスゴルフと名を変えて再投入されるらしいけど、これがスタンダードなレベルということになれば国産含めてまた自動車設計のレベルが上がるんでしょうね。
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