Shine A Light

今日はマーティン・スコシージがストーンズを撮った「Shine A Light」を鑑賞。

本当はミッドナイトショーでゆっくり観たかったのだけど、あれやこれやで都合が付かず、日曜日の昼間という最悪のコンディションで観ることになった。
公開後一ヶ月以上経つのに六本木ヴァージンはほとんど満席状態。

いやぁ、しかし傑作。
スコシージにしてみれば早く撮らないと自分かストーンズのどっちかが先に死んじゃうと思ったのか力が入ってますね。
クリアな映像、臨場感のあるカメラワークで、ステージ上で何が起こっているのかバッチリ把握できます。
しかもストーンズの音楽を熟知した編集がなされていて、例えばバディ・ガイがギターをギュィーンと鳴らすその瞬間その手許がアップになったり、あ、ここが観たいというコアなファンの思いを的確に映像化してくれているので、もう文句の付けようがありません。

ストーンズの方もそんな期待に応えて、これぞストーンズというライブを展開。
NYCのビーコンシアターという小振りな場所で「音楽を演奏」することで、本来のストーンズの持つミュージック・マジックを思う存分発揮。キースが「ロニーもオレも下手だけど、二人揃えば最強」という言葉とおりのライブ。

中身は黒くてソウルフルなストーンズ。Sticky Fingers〜Exile On Main StreetからSome Girls辺りまでの、ブラックミュージカルをロック的(つまり白人的)に解釈し再構築していた絶頂期を彷彿させるもの。
JJフラッシュから始まりLive With Me辺りまでがそれで、ブルース、R&B、ノーザン・ソウル、サザン・ソウルなどストーンズの血肉をなすブラックネスがこれでもかと出てきて悶絶もんでしたね。
後半はどうしてもヒット曲集にならざるを得ないけど、まぁそれはお約束なので(笑

ゲストも何人か。
ホワイトストライプスのジャック・ホワイトはLovin' Cupで。ストーンズと一緒に演るのは慣れていると思っていたが、それでも緊張してアガってしまったのか本調子ではなく、演奏後キースに何か声をかけられていたのが可笑しい(キースのことだから”気にすんなよ”とか言ったのかな?)。
Champagne & Reeferではバディ・ガイが登場しいきなり吠える(笑
いやぁーやっぱ本当のブルースマンは違いますね。鋭角的としか表現しようのないバリバリなブルース。
Live With Meにはクリスティーナ・アギレラがピンヒールで登場。ビーコンシアターのステージに穴を開けないか心配で心配で(笑

ベースはいつものダレル・ジョーンズ。太った?
ボビー・キーズのおっさんも健在。ソロもフィーチャーされて見せ場もあるしまぁ準メンバーだからね。
分からなかったのがブロンディ・チャップリン。ビーチ・ボーイズの低迷期を支えシンガーとしてソロも出しているかなりな歳の人ですがこんなところにいるとは。
しかしやはり白眉はチャック・リーヴェル(ミックのMCではリヴェールって発音してた)。キースとウッディがヨタりながらも好き放題できるのもこの人のおかげ。出しゃばらず、しかし印象に残るピアノやシンセ。ミックの歌唱にさえダメ出しをするミュージシャンシップ。まさにバンドマンの鑑ですね。こういうちゃんとしたキーボーディストこそ評価されて欲しい。
こないだのシェリル・クロウのキーボードの奴はチャックの爪の垢でも飲んで出直してもらいたいね。

全編に黒い選曲と演奏の中で異色だったのがFar Away Eyes。モロカンなんだけどでも黒い。その秘密のキーワードはグラム・パーソンズ。
ここでゲストでエミルー・ハリスなんか出てくるとその辺りの事情がよく分かり、しかも英国〜南部〜ブラックミュージックのの構造がすっきり見通せたんだけどなーというのは贅沢かな。

でもこのライブで見られるストーンズの黒さというのは、スコシージ監修のブルース百周年映画にも繋がるワケで、もしかしたらスコシージも番外的な続編のつもりで撮ったようにも思えます。
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