In Your Mind / Bryan Ferry


Bryan Ferryのソロの中でも一番好きなアルバムがこの「In Your Mind(あなたの心に)」。

ソロとしての1枚目と2枚目では、R&RやR&Bあるいはスタンダードな名曲、隠れた名曲を新しく解釈し直しまさにRe-Makeと呼ぶに相応しいカバーを展開していたが、このアルバムは始めて自作曲をメインにしたソロアルバム。
(なお「Let's Stick Together」はシングルを寄せ集めた企画アルバム)

ブライアンのパブリックイメージはダンディーな格好して変な歌い方でナルシスティックにラブソングを歌うおじさんというものだろうが、元々はRoxy Musicの創始者であるわけだし、歌詞の一節からインスピレーションを広げ新しく解釈を入れてメッセージソングに仕立て上げる、早い話がかなり知的なミュージシャンである。
どうも元Roxyとか喉を絞った変な歌い方といった方面ばかり語られ肝心の歌の中身に触れることが少ないので、日本でのブライアンの位置付けはかなり誤解されていると思う。本来なら当時のIsland/EG組の、例えばジョン・ケイルなどと同列に語られるべき人なんだけど。

このアルバムには「Tokyo Joe」という、後に日本のTVドラマで使われることになる(でも本当は軽佻浮薄なK野雄二をバカにした曲。歌詞を読めば一目瞭然)曲が入っていることで有名だが、それ以外のブライアンの自作曲が本当に素晴しい。
特にクリス・スペディングのサイケデリックで暴力的なギターが凄まじい「Love Madly Again」、全てはあなたの心の中にあると歌われる「In Your Mind」の2曲。どちらもパンク/NW以前のロックの極地だと思う。
高校生としてリアルタイムに聴いた時は、とにかくIn Your Mindの歌詞に感動しまくり。青臭いといえば青臭いし、今その歌詞について語るのは恥ずかしいので素直に聴いて歌詞を噛み締めて欲しい。
以前のカバー曲をやる時は、言葉の一つ一つに複数の意味が込められ、文脈やサウンドとの絡みから意味を解釈しないといけなかったが、このアルバムでの歌詞はかなりストレートで判り易いと思う。

で、問題はこのアルバムの面子で行なわれた1977年の日本ツアー。
リズムセクションはポール・トンプソンにジョン・ウェットン。サックスにメル・コリンズ。
そしてギターがクリス・スペディングとフィル・マンザネラ。
要するにロクシー・ミュージック+キング・クリムゾンなワケでですな。
その中でもとにかくクリス・スペディングのギターが切れまくっていて凄い。
キング・クリムゾンのEarthboundで聴けるバイオレンスなギターよっか数段凄い。

とにかく聴いてみてくれ・・・と言いたいのだが公式なライブアルバムは出なかったし、ブートでも見かけた事がない。
個人的ポリシーとしてブートには手を出さないことにしているが、これだけは別と思って機会があれば探しているのだけど。
またNHKの「ヤング・ミュージック・ショー」のスタジオ・ライブが後に放映されたが、実際のライブに比べるとやや大人しい演奏だなと思った記憶がある。
この時の映像でも残っていれば多少は凄さが判ってもらえると思うのだけど。

いちおう実家には大阪厚生年金会館(もしかしたら中野サンプラかも)でのライブを収めたテープがあるのだけど(なぜそんなものを持っているのかは聞かないでくれ)、客の喋りは入っているし音質的にもEarthboundとタメをはっているものので、できればちゃんとした音で聴きたいと思うのだけど、とにかく他にこの時の音源が見つからない。
テーププレイヤーが動かなくなる前にデジタル化して保存しておきたい音源No.1だ(笑

[UPDATE]
YMSの、しかもLove Me Madly Againの映像はYouTubeで簡単に見つかりました(笑
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